小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

感想

シュレーディンガーの負けヒロイン――箱へ入れるには負けヒロインが多すぎる!

本稿は放射性元素を用意した密室にいる負けヒロインが、元素の崩壊を引金として室内の生命体を死に至らしめる仕掛けが発動した際、生きているのか死んでいるのかを考察する記事……ではない。同時に、生命の徒な科学利用を禁ずる倫理的訓話でも、量子が集合体…

練馬大根の食レポ

東京都練馬区の特産品、練馬大根をご存知だろうか。この記事は、幻の存在となった練馬大根の食レポである。

ゆめアールは無いけど花寺のどかの幻覚を見た

図1 ゆめアール(イメージ)*1 みなさんは3月20日に公開された『映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』を何回見ただろうか。たいして劇場に足を運んでいないのに、本作について記事を書くのは非常におこがましいと承知し…

瞬間、ハンタ読者の脳内に溢れ出した、存在しない記憶

東堂葵 16歳 冬 己の肉体と術式に限界を感じ、悩みに悩み抜いた結果、彼がたどり着いたのは、一日一万回、感謝の拍手であった。 元ネタのネテロ会長の修行シーン このナレーションはHUNTER×HUNTERのネテロ会長の修行シーンを文字ったものである。 呪術廻戦 …

クジラックスの『ろりとぼくらの』をアッサンブラージュする――エロマンガのエロい・エロくないを分析する②――

『ろりとぼくらの』として誕生する前の『ろりとぼくらの』 久しぶりにエロマンガをテーマに記事を書きたいと思います。 分析対象をクジラックスの『ろりとぼくらの』とした本稿は、エロいエロくないというよりかは、ヒットの分析となりました。なので正確に…

【推しの子】 アクアはアイになりたいのか

こんにちは。ヱチゴニアです。 今回は『【推しの子】』という作品の考察をしようと思います。『【推しの子】』は赤坂アカ原作、横槍メンゴ作画で週刊ヤングジャンプにて2020年21号より連載中の漫画で、推しアイドルの子供に転生した双子が成長し芸能界へと足…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(上)

1.はじめに 人と人が関わる時、そこにはいくつもの関係が生まれる。もっとも基本的な類では好き-嫌いが挙げられるだろう。集団内では複数人の好意が特定の人物へ集中する事態が発生しうる。その際、好意を寄せられた対象が好意を寄せた成員から1名を選び…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(中)

4.ヒロインは何に負けるのか ようやく本題に入る。分析対象は漫画『聲の形』である*1。別冊少年マガジンで2011年2月に読み切りが掲載されたのち、週刊少年マガジンで2013年36・37合併号(8月7日発売)から2014年51号(11月19日発売)まで連載し、単行本は全7巻…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(下)

5.おわりに 以上、長くなったが植野の視点から物語を俯瞰した。ようやく前節で掲げた問い、すなわちヒロイン=植野は何に負けたのかについて答えが出せる。

今年はこういうの読みました2020

中国でよう分からん肺炎の症例が確認されたと思ったら、あっという間に世界中へ感染が拡大して振り回された2020年。家にこもって活字を読む機会が多かったのではないでしょうか(読む量が増えたかどうかはさておき)。来年もきっと続くであろう新しい生活様式…

『図書館の魔女』と地下水道

こんにちは、暗渠が大好きなヱチゴニアです。これまで何度か暗渠を探索する記事を書いてきましたが、今回は少し趣向を変えて、小説の中に登場する暗渠についてです。 2017年末の記事でわずかに触れましたが、暗渠は文学作品の中にときどき登場します。こうい…

今年はこういうの読みました2019

ここ最近活動していないので、小文化学会は冬枯れた野原のように息の根が止まってしまったと思ったそこのアナタ! ぶっちゃけ否めません。とはいえ〆るところはきちんと〆ます。来年がんばるために、せめて今年の足跡を留めておきたい。毎年恒例の「今年はこ…

活動報告 エロマンガ読書会

皆さん、春ですね。ぽわとりぃぬです。新入生、新学年、新入社員といった新たな環境をよろめきながらも歩き始めた頃かと思います。あらゆる繋がりがリセット/更新されるこの時期、何か新しい楽しさはないかとネットをポチポチしてみたりもするでしょう。 そ…

男性向け成人コミックにおける「コンドームの銘柄を記載する描写」に関する一考察 ーじょろり『大好き。』を例としてー

コンドームが出てくる作品の中で、割合としては少ないですが、「コンドームの銘柄を記載する描写」を含む作品があります。今回はコミックホットミルク2019年5月号掲載、じょろりの『大好き。』を例としてそのような描写について考察しようと思います。

今年はこういうのを読みました2018

2018年は終わるがキャラバンは進む。私たちも同じ場所や時間に留まりつづけることはできません。ならば日々成長あるのみ。今年は幸いにも方々でリアルな集いができたり、新しい方の寄稿があったりとモゾモゾ活動できたのではないかと思います。そんなわけで…

『Sweet』・民主党・政権交代ーーー『「女子」の誕生』でわかること

どうも。つおおつです。今回は、米澤泉『「女子」の誕生』(2014)の知識を借りながら、ファッション誌と日本の政治で同時に起きた「政権交代」ついて小規模な考察をしていこうと思います。 感想

感想『闘争領域の拡大』―救いとしての『プリンセスメゾン』と美少女動物園アニメ―

「や、絶対イケる、ワンチャン。」 と、ツイッターでエンカ予定の女子と恋仲になることを絶対的に確信する、つおおつの友人のG氏。ここまではG氏によくあることなんですが、その直後つおおつとG氏の先輩であるO氏が開いた言葉によって、つおおつとあの作品の…

『放浪記』は古くて新しい

どうも、つおおつです。あれ?次の記事はカカフカカについてのことじゃないって?HAHAHA!君はなんて物覚えがいいんだ!HAHAHA! 甦れ私の意欲甦れ私の意欲甦れ私の意欲甦れ私の意欲… 閑話休題。今回は、林芙美子の『放浪記』の作中の詩をとりあげ、それとつ…

恋愛しない若者たち ~カカフカカでわかる連帯結婚~

どうも。つおおつです。 ついにアニメを定期的に見るという習慣がなくなってしまい、(一気見が主に)その代わりに『プリンセスメゾン』、『東京タラレバ娘』、『午前3時の無法地帯』などで女性向け漫画の面白さに気付き始め、ジャンカラで「Q&Aリサイタル…

他者依存による自己の存在承認とその戦略《童貞という立場から》

6年間の男子校生活を終え、大学に進学してしばらく経ったころ。 人は環境の変化による価値の再構成時に自己の同一性が保てなくなるらしく、その煽りを受けたのか、あるいは頭が混乱状態にあったのか、真相は不明だがあろうことか僕は生まれてはじめて恋をし…

今年はこういうのを読みました2017

2017年も終わりですね。何かを達成したような、達成できなかったような1年でした。ただ、読んだ本は確実に糧になったといえるはずです。そんなわけで(?)会員が読んだ本をおのおの紹介して、今年の小学の活動を締めくくりたいと思います。

重なる空想と現実――『サクラクエスト』の時空間

すっかり寒くなって2017年秋アニメも終盤に差しかかってきました。この1年もあっという間に過ぎてしまい、振りかえる暇もありません。当記事が2017春夏アニメの感想なのに、今になって投稿されているのも矢の如き時間のせい……と責任転嫁もほどほどにして、…

『「地の塩」殺人事件』と湾岸戦争の関係

Ⅰ. 概要 このレポートでは、イスラエル人作家シュラミット・ラピッドによる『「地の塩」殺人事件』(1992)という作品における推理小説という形式と湾岸戦争の描写の関係について考察する。 まず、『「地の塩」殺人事件』の推理小説としてのプロットについて…

金正日のかわいい嘘

4月にこれからもがんばって活動していきます! みたいな感じで意気込んでいたのに、気が付いたらもう6月の終わりになってしまいました。私は竜宮城にでも遊びに行っていたのでしょうか。もし本当に行けたらそれほど嬉しいことはありません。 冗談はほどほ…

差別とヘイトが溢れかえる世界の行き着く未来に希望はあるのか?”〜迫害されながらも共存を求め戦い続けるマイノリティヒーローたちから学ぶこと〜”

久々の投稿となります。さて皆さんはX-MENというアメコミのヒーローチームをご存知でしょうか?アメコミの2大巨頭の一角とも言うべきMARVEL社の看板ヒーローチームの一つで同名コミックの主人公たちです。 簡単に紹介させていただきますと1963年に原作スタン…

近親相姦の描きかた――『私の男』と『相姦の赤い河岸』から

以前、京都大学成年コミック同好会に所属している友人がこんなツイートをしていました。 桜庭一樹の『私の男』読みました。全てのcomicLO,comic高の漫画家さんに問いたい。あなた方はこの作品を超えられるだろうか?LOよりもLOらしく、高よりも高らしいこの…

プリンセスメゾンのススメ―沼ちゃんが教えてくれる東京の新しい生き方―

はじめまして。つおおつと申します。 2016年は例年と同じように、いろんなアニメが放送され、いろんな作品が話題になりました(総花的)。しかしこのつおおつ、残念ながらそういう文化の波に去年はまったく乗れませんでした。 仕方ないですね、初めての一人…

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から感じた”静かな侵略”の恐ろしさと”自由を勝ち取ること”の素晴らしさ

2度目の寄稿になります。(恐らく、今年最後の投稿になるのではないでしょうか?来年も少しずつこの活動を盛り上げていけるといいですね。) 今回は執筆者が数あるアメコミ実写作品の中で最も好きな作品の一つである『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソル…

「聲の形」感想――ハレとケガレの観点から

Twitterのほうで告知したとおり、2回目の鑑賞を終えたので感想を書きたいと思います。原作未読でもかなり端折ったのだとわかる内容だったため、登場人物の心情や関係の変移についてはあまり言及しません(そもそもできません)。今回はマクロな物語の流れか…