小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

[筆者]10nies

シュレーディンガーの負けヒロイン――箱へ入れるには負けヒロインが多すぎる!

本稿は放射性元素を用意した密室にいる負けヒロインが、元素の崩壊を引金として室内の生命体を死に至らしめる仕掛けが発動した際、生きているのか死んでいるのかを考察する記事……ではない。同時に、生命の徒な科学利用を禁ずる倫理的訓話でも、量子が集合体…

人と会わなければ会話が弾む

正確な割合は不明だし、関心としては二の次なのでわざわざ調べないけれど、感染対策としてオンライン講義を設けている大学は少なくないだろう。また、大学におけるオンラインの利用には劣るかもしれないが、テレワークが推奨されている企業も一定数ある。そ…

ゆめアールは無いけど花寺のどかの幻覚を見た

図1 ゆめアール(イメージ)*1 みなさんは3月20日に公開された『映画ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』を何回見ただろうか。たいして劇場に足を運んでいないのに、本作について記事を書くのは非常におこがましいと承知し…

負けヒロインと出会う方法

1.緒言 2.負けヒロインはどこから来たのか 3.負けヒロインはどこからも来ていない 4.結言 5.謝辞 1.緒言 前回の記事では『聲の形』のキャラクターに焦点をあてて、負けヒロインは何に負けたのか、ということについて考えた。結論を引用すると、…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(上)

1.はじめに 人と人が関わる時、そこにはいくつもの関係が生まれる。もっとも基本的な類では好き-嫌いが挙げられるだろう。集団内では複数人の好意が特定の人物へ集中する事態が発生しうる。その際、好意を寄せられた対象が好意を寄せた成員から1名を選び…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(中)

4.ヒロインは何に負けるのか ようやく本題に入る。分析対象は漫画『聲の形』である*1。別冊少年マガジンで2011年2月に読み切りが掲載されたのち、週刊少年マガジンで2013年36・37合併号(8月7日発売)から2014年51号(11月19日発売)まで連載し、単行本は全7巻…

植野直花から学ぶ負けヒロインの生き様(下)

5.おわりに 以上、長くなったが植野の視点から物語を俯瞰した。ようやく前節で掲げた問い、すなわちヒロイン=植野は何に負けたのかについて答えが出せる。

今年はこういうの読みました2020

中国でよう分からん肺炎の症例が確認されたと思ったら、あっという間に世界中へ感染が拡大して振り回された2020年。家にこもって活字を読む機会が多かったのではないでしょうか(読む量が増えたかどうかはさておき)。来年もきっと続くであろう新しい生活様式…

第三十一回文学フリマ東京に参加しました!

予告していたとおり、11月22日に東京流通センター第1展示場で開催された文学フリマ東京に参加しました。ブースに来ていただいた方に、あらためてお礼申しあげます。初参加かつ従来とは違う状況でしたが、とてもいい経験になりました。備忘録も兼ねて、参加を…

ママはママでもママじゃないママはな~んだ

正解は崖です。 「ママ」は長きにわたり関心を持たれてきた。たとえば、江戸時代後期の国学者は由来を「土が心のままに崩れるからだよ」と述べている。親父ギャグじゃん、と一笑に付している方に言いたい。私も同感だ。 これを著書で引用した研究者もこじつ…

名鉄小牧線でゆくOMMCツアー

飲み会にはコールというものがあるそうだ。平凡な人生を送ると無縁の存在だが、その気になれば簡単に関わりを持てる。そもそも酒のなかにはコールがすでにあるとはいえ(「アルコール」だからね)、コールを唱えればもっと楽しくなるかもしれないし、虚しくな…

人間はいつになったらクイズの出題をやめられるのか

そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。(ルカによる福音書第4章3‐4節) みなさんは大学入学共通テスト(以下共通テスト)…

今年はこういうの読みました2019

ここ最近活動していないので、小文化学会は冬枯れた野原のように息の根が止まってしまったと思ったそこのアナタ! ぶっちゃけ否めません。とはいえ〆るところはきちんと〆ます。来年がんばるために、せめて今年の足跡を留めておきたい。毎年恒例の「今年はこ…

路上でクルージング@中村遊郭跡

先日の「路上でクルージング@中村遊郭跡」はお天気にも恵まれ、無事に開催できました。来てくださったみなさん、ありがとうございました。今回はその報告をしたいと思います。 集合した中村日赤駅から、最初に向かったのは素戔嗚神社。駅にいちばん近い遊郭…

活動報告 エロマンガ読書会

皆さん、春ですね。ぽわとりぃぬです。新入生、新学年、新入社員といった新たな環境をよろめきながらも歩き始めた頃かと思います。あらゆる繋がりがリセット/更新されるこの時期、何か新しい楽しさはないかとネットをポチポチしてみたりもするでしょう。 そ…

新歓のお知らせ

多くの大学では春学期の講義が開始したころだと思います。いかがお過ごしでしょうか。私は残された長期休みのひとかけらを心惜しく過ごしております。 春学期の講義が始まったということは、多くのサークルで勧誘活動も始まったということを意味します。きっ…

スローな関係にしてくれ

いよいよ明日が新元号発表ですよ! むっちゃドキドキしてきた……いや、それよりもみなさんはご自身の未知数な新生活のほうが、きっとドキドキでしょう。 小文化学会としては大学新入生のみならず、2年生以上、院生の方も分け隔てなく、新たな交流を広げるきっ…

路上でクルージング@八王子 番外編

前回に引きつづき、八王子でのフィールドワークについて報告していきます。鋸屋根工場、そして関連する建築物について。見覚えはあるけど、なんだかよく分からないランドスケープの一要素が、これで少しは親しみを持てるようになったら幸いです。 かつて八王…

路上でクルージング@八王子

年度末、皆様いかがお過ごしですか。大学に合格して、これからの学生生活に不安を抱きながらも期待する方もいれば、怠惰な生活を後悔して心機一転、新しい活動に参加してみたいとはりきる方もいると思います。勉強、バイトに恋愛と何に注力するかは人それぞ…

今年はこういうのを読みました2018

2018年は終わるがキャラバンは進む。私たちも同じ場所や時間に留まりつづけることはできません。ならば日々成長あるのみ。今年は幸いにも方々でリアルな集いができたり、新しい方の寄稿があったりとモゾモゾ活動できたのではないかと思います。そんなわけで…

東京人、地方人の掌に踊る

先日、つおおつ君が京都のほうで新歓を開いてくれました。「N・H・Kにようこそ!」は私も見たことのある作品で、初見の方が受けた衝撃たるや想像に難くありません。独立自尊の日々を固守する当方にとって、「受け流す力」は必須スキルなもんですから、佐…

路上でナイトクルージング@目黒

どうもこんにちは~。エチゴニアです。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。もうすぐ季節は夏になりますが、今回の記事は去年(2017年)の冬頃の羅漢寺川散策記となります。 さて、路上なのにクルージングって時点で察するかもしれませんが、もちろん暗渠のこ…

小文化学会の小文化的考察

平成30年度になりました。とはいえ学生だと休みの方がほとんどでしょうから、そんな気はしないかもしれません。ちなみに、私もそうです。ゆるゆると過ごしています。 さて、世の中のサークルは新歓に大忙しのようです。新しいメンバーを入れて世代交代するの…

今年はこういうのを読みました2017

2017年も終わりですね。何かを達成したような、達成できなかったような1年でした。ただ、読んだ本は確実に糧になったといえるはずです。そんなわけで(?)会員が読んだ本をおのおの紹介して、今年の小学の活動を締めくくりたいと思います。

重なる空想と現実――『サクラクエスト』の時空間

すっかり寒くなって2017年秋アニメも終盤に差しかかってきました。この1年もあっという間に過ぎてしまい、振りかえる暇もありません。当記事が2017春夏アニメの感想なのに、今になって投稿されているのも矢の如き時間のせい……と責任転嫁もほどほどにして、…

電子感想戦 第1回 田山花袋『少女病』(2)

前回に引きつづき、電子感想戦の議事録を掲載したいと思います。人数も増えて感想戦はさらに盛りあがりを見せました。具体的なテクストの読みこみは複数人ですると1人でするのとはまた違った楽しさがありますね。 参加者:10nies(以下、10) エチゴ二ア(以下…

電子感想戦 第1回 田山花袋『少女病』(1)

秋本番となってきましたね。食欲もスポーツも魅力的だけど、小文化学会としてはやはり読書の秋です。そんなわけで、シャレというわけでもないですが文化の日に初の試み、電子感想戦を行いました。事前に課題作を読み、ネット上で意見を交わす挑戦にどうなる…

金正日のかわいい嘘

4月にこれからもがんばって活動していきます! みたいな感じで意気込んでいたのに、気が付いたらもう6月の終わりになってしまいました。私は竜宮城にでも遊びに行っていたのでしょうか。もし本当に行けたらそれほど嬉しいことはありません。 冗談はほどほ…

近親相姦の描きかた――『私の男』と『相姦の赤い河岸』から

以前、京都大学成年コミック同好会に所属している友人がこんなツイートをしていました。 桜庭一樹の『私の男』読みました。全てのcomicLO,comic高の漫画家さんに問いたい。あなた方はこの作品を超えられるだろうか?LOよりもLOらしく、高よりも高らしいこの…

売買春の女衒

すでに3ヵ月ほど前になってしまいましたが、横浜市中区で行われた「私たちは『買われた』展」に行きました。インターネット上でも話題になっていたので、名前を聞いたことがある方もいると思います。貧困で苦しむ若い女性を支援する一般社団法人Colaboとそ…