小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

R18

ウィル・アイズナー『コミックス・アンド・シーケンシャルアート』を読む②

はじめに 前回に引き続き、ウィル・アイズナーの『コミックス・アンド・シーケンシャルアート(Comics and Sequential Art)』を読んでいく。 sho-gaku.hatenablog.jp 今回読んでいくのは第3章「TIMING」だ。本章でアイズナーはコミックにおける時間の表現に…

白ポストの中身が知りたくて――

ポストといえば白だ。誰がなんといっても白。私のクオリアがイカれたわけではない。実際に白いポストはある。送る言葉ではなく唾棄すべき(と誰かが断定した)言葉を入れる、有害図書追放のために設置された通称「白ポスト」。 白ポストは1950年代後半から盛ん…

きれることの容易さ―きい作品を事例にⅡ―

きい先生,単行本第3弾発売おめでとうございます。 www.wani.com 本稿は前回*1にひきつづき,きい作品を題材に用いて,負けヒロインはいかなる存在として受け手の前に現れるのかという問いへの思索を行う。「特定のキャラクターが思いを寄せる相手と相互思慕…

エロマンガレビュー 新堂エル『変身』-その魔力の根源と暴走―

「変わりたいと思う気持ちは、自殺だよね」 西尾維新著『零崎人識の人間関係』より。いーちゃんのセリフ。 いくつかのエロマンガには魔力がある。 名作と呼ばれるそれらは、読者の心に何か残るものを突き刺し、彼らをして友達に勧めさせたり感想をブログや商…

つながることの難しさ―きい作品を事例に―

本稿は肉体を媒介に含む関係構築が、かかる行為の連想させる精神的紐帯、つまり恋仲の構築と必ずしも一致しないことの分析をとおして、成年コミックという媒体の特性により可能となる、負けヒロイン描写の複雑性の解明を目的とする。 筆者は当ブログで負けヒ…

クジラックスの『ろりとぼくらの』をアッサンブラージュする――エロマンガのエロい・エロくないを分析する②――

『ろりとぼくらの』として誕生する前の『ろりとぼくらの』 久しぶりにエロマンガをテーマに記事を書きたいと思います。 分析対象をクジラックスの『ろりとぼくらの』とした本稿は、エロいエロくないというよりかは、ヒットの分析となりました。なので正確に…

ヌける/ヌけないエロマンガへの接近①

こんにちは、ぽわとりぃぬです。エロマンガを研究するうえでつぎの2冊は必読です。永山薫の『エロマンガスタディーズ』と稀見理都の『エロマンガ表現史』。前者をエロマンガの歴史と社会的意義を考えた本と位置付けるなら、後者はエロマンガの技術的価値を考…

カルチャーと社会のスムーズな接続 ―AVにおける「文系女子ブーム」から「草食系男子」へ―

こんにちは、ぽわとりぃぬです。みなさんAVは好きですか。私は好きです。おおっぴらに言うのは憚られるものの、男子はみんな(最近では女子も少なからず)好きだと思います。今回はそんなAVのブームを題材に、カルチャーと社会の関係について考察していきま…

活動報告 エロマンガ読書会

皆さん、春ですね。ぽわとりぃぬです。新入生、新学年、新入社員といった新たな環境をよろめきながらも歩き始めた頃かと思います。あらゆる繋がりがリセット/更新されるこの時期、何か新しい楽しさはないかとネットをポチポチしてみたりもするでしょう。 そ…

男性向け成人コミックにおける「コンドームの銘柄を記載する描写」に関する一考察 ーじょろり『大好き。』を例としてー

コンドームが出てくる作品の中で、割合としては少ないですが、「コンドームの銘柄を記載する描写」を含む作品があります。今回はコミックホットミルク2019年5月号掲載、じょろりの『大好き。』を例としてそのような描写について考察しようと思います。

エロマンガレビュー ―『新堂エルの文化人類学』を文化人類学の院生が読んでみた―

ぽわとりぃぬです。タイトルのとおり私は現在大学院で文化人類学を専攻しております。そんな私にとって外せないエロマンガが、『新堂エルの文化人類学』です。今回の寄稿では、この単行本を文化人類学の観点からレビューしていこうかと思います。 文化人類学…

ロケットモンキーはNTRか -取られた女、所有ってた男、ビッチ―

はじめまして、ぽわとりぃぬです。先日、名古屋で開催された新歓「マジメニエロマンガヨマナイト」に参加させていただきました。「田舎の表象」というテーマで時に楽しく脱線しながら語りつくしました。常日頃からエロマンガについてマジメに語らいたい私に…

近親相姦の描きかた――『私の男』と『相姦の赤い河岸』から

以前、京都大学成年コミック同好会に所属している友人がこんなツイートをしていました。 桜庭一樹の『私の男』読みました。全てのcomicLO,comic高の漫画家さんに問いたい。あなた方はこの作品を超えられるだろうか?LOよりもLOらしく、高よりも高らしいこの…