小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

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ナビエ遥か2Tのエロ同人を実際にやってみた-エロマンガのエロいエロくないを分析する④-

ナビエ遥か2Tは唾フェチという点で稀有なエロ漫画家だ。商業では抑えめだが、現時点(2023年夏コミ)までに制作した同人(同人名はヌルネバーランド)ではその全てにおいて唾液プレイないし顔舐め[1]が描かれている。管見の限りではあるが、唾液をここまで…

『不完全マーブル』のコマ割りについて-エロマンガのエロいエロくないを分析する3.4-

このスピンオフも本記事が最後。きいの現時点での最新単行本『不完全マーブル』の分析でこのシリーズを終わりとする。 親記事にて調査したとおり、きいという作家は単行本を経るにつれ婉曲的な表現が多くなっていった。風景や身体の一部を切り取ってキャラの…

群青ノイズのコマ割りについて―エロマンガのエロいエロくないを分析する3.3ー

「お前、前の記事できいのエロマンガのコマを全部数えたらしいけど本当かよ?」という疑い(本当にそんなこと言う人がいるかどうかは不明)に応えるための作品レビュー。今回は『群青ノイズ』。 『放課後バニラ』のコマ割りについて①ーエロマンガのエロいエ…

『放課後バニラ』のコマ割りについて②ーエロマンガのエロいエロくないを分析する3.2ー

前回の記事はこちら ④群青 ⑤スカートの中の宇宙 ⑥VAMP!! ⑦コンティニュー ⑧「罪と…」 ⑨ソルトペッパーチョコレート おわりに-色んな最多と最少とヌけるヌけないとの接点- ④群青 本単行本から代表作を1作選べといわれたら、私はこれを選ぶ。異論がある人…

『放課後バニラ』のコマ割りについて①ーエロマンガのエロいエロくないを分析する3.1ー

前回の記事できいのコマ割りについて分析した。きいの作品全体を対象に他のエロマンガと比較するというアプローチを採り、きいという作家の語り方の特徴を明らかにしたが、個々の作品についての言及は薄くなってしまった。なので、各作品の分析結果を提示し…

ウィル・アイズナー『コミックス・アンド・シーケンシャルアート』を読む③

はじめに 前回に引き続きウィル・アイズナーの『コミックス・アンド・シーケンシャルアート(Comics & Sequential Art)』を読んでいく。 sho-gaku.hatenablog.jp 3回目となる今回は第4章「FRAME」だ。本章で扱われるのはコマ割りとパースペクティブである。…

きい先生でヌきたい!ーエロマンガのエロいエロくないを分析する③ー

1.はじめに 2.ヌけないエロマンガについての記述 3.兼ねコマ、LLマンガ、補完 4.分析方法 4-1.夏目房之介の「内包と多層」 5.分析結果 5-1.きいと『ギャルトモ♡ハーレム』と快楽天7月号 5-2.カメラ位置は変わっても人称視点は変わらない 5-…

ウィル・アイズナー『コミックス・アンド・シーケンシャルアート』を読む②

はじめに 前回に引き続き、ウィル・アイズナーの『コミックス・アンド・シーケンシャルアート(Comics and Sequential Art)』を読んでいく。 sho-gaku.hatenablog.jp 今回読んでいくのは第3章「TIMING」だ。本章でアイズナーはコミックにおける時間の表現に…

エロマンガレビュー 新堂エル『変身』-その魔力の根源と暴走―

「変わりたいと思う気持ちは、自殺だよね」 西尾維新著『零崎人識の人間関係』より。いーちゃんのセリフ。 いくつかのエロマンガには魔力がある。 名作と呼ばれるそれらは、読者の心に何か残るものを突き刺し、彼らをして友達に勧めさせたり感想をブログや商…

クジラックスの『ろりとぼくらの』をアッサンブラージュする――エロマンガのエロい・エロくないを分析する②――

『ろりとぼくらの』として誕生する前の『ろりとぼくらの』 久しぶりにエロマンガをテーマに記事を書きたいと思います。 分析対象をクジラックスの『ろりとぼくらの』とした本稿は、エロいエロくないというよりかは、ヒットの分析となりました。なので正確に…

ヌける/ヌけないエロマンガへの接近①

こんにちは、ぽわとりぃぬです。エロマンガを研究するうえでつぎの2冊は必読です。永山薫の『エロマンガスタディーズ』と稀見理都の『エロマンガ表現史』。前者をエロマンガの歴史と社会的意義を考えた本と位置付けるなら、後者はエロマンガの技術的価値を考…

カルチャーと社会のスムーズな接続 ―AVにおける「文系女子ブーム」から「草食系男子」へ―

こんにちは、ぽわとりぃぬです。みなさんAVは好きですか。私は好きです。おおっぴらに言うのは憚られるものの、男子はみんな(最近では女子も少なからず)好きだと思います。今回はそんなAVのブームを題材に、カルチャーと社会の関係について考察していきま…

活動報告 エロマンガ読書会

皆さん、春ですね。ぽわとりぃぬです。新入生、新学年、新入社員といった新たな環境をよろめきながらも歩き始めた頃かと思います。あらゆる繋がりがリセット/更新されるこの時期、何か新しい楽しさはないかとネットをポチポチしてみたりもするでしょう。 そ…

男性向け成人コミックにおける「コンドームの銘柄を記載する描写」に関する一考察 ーじょろり『大好き。』を例としてー

コンドームが出てくる作品の中で、割合としては少ないですが、「コンドームの銘柄を記載する描写」を含む作品があります。今回はコミックホットミルク2019年5月号掲載、じょろりの『大好き。』を例としてそのような描写について考察しようと思います。

エロマンガレビュー ―『新堂エルの文化人類学』を文化人類学の院生が読んでみた―

ぽわとりぃぬです。タイトルのとおり私は現在大学院で文化人類学を専攻しております。そんな私にとって外せないエロマンガが、『新堂エルの文化人類学』です。今回の寄稿では、この単行本を文化人類学の観点からレビューしていこうかと思います。 文化人類学…

ロケットモンキーはNTRか -取られた女、所有ってた男、ビッチ―

はじめまして、ぽわとりぃぬです。先日、名古屋で開催された新歓「マジメニエロマンガヨマナイト」に参加させていただきました。「田舎の表象」というテーマで時に楽しく脱線しながら語りつくしました。常日頃からエロマンガについてマジメに語らいたい私に…