小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

小文化学会の案内

 みなさんはじめまして。小文化学会のブログへようこそ!

    小文化学会(以下小学)は2016年9月1日に設立された学生を中心とする、総合思考サークルです。関心領域は会員の自由。あなたの探求するものが、小学の探求するものになります。

 「学会」と称していますが、当然ながら実際に学会として運営される団体ではありません。あくまで「ごっこ遊び」のようなものだとお考えください。しかし模倣とはいえ「学会」の体裁を取る以上は真摯に活動していきたいと思っています。

 具体的には以下の活動を行う予定です。

・記事の作成と当ブログへの寄稿

・記事をまとめた冊子の作成、配布

・書物・アニメ等を用いた勉強会

 

 Twitterアカウントはこちらです

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 当会へのご連絡は、本ブログの各記事のコメント欄(当記事でも差し支えありません)か、Twitterアカウントのツイートへのリプライ、またはDM、小学のeメールアドレス(shobunkagakkai☆gmail.comの☆を@に変更)にお願いいたします。いきなり入会をする必要はございません。興味、意見を少しでも持っていただいたら、お気軽にご連絡ください。

 

としまえん閉園に際して

 こんにちは、エチゴニアです。お久しぶりです。

 コロナによって世界は色々な変化を余儀なくされていますが、東京都の遊園地『としまえん』の閉園の準備も、そのかげでひっそりと進められてます。閉園については今年の2月に第一報が流れ、6月12日に公式ホームページで正式に発表がなされました。

 この記事では、そんな閉園直前のとしまえんについて、正確には、その周辺について書きたいと考えています。

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人間はいつになったらクイズの出題をやめられるのか

そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。(ルカによる福音書第4章3‐4節)

 

 みなさんは大学入学共通テスト(以下共通テスト)の問題作成方針が今年の1月末に変更されたのを憶えているだろうか。ごく簡単にいえば、記述式を諦めた。その理由として採点の精度への疑問、自己採点の難しさ、費用対効果の不確かさが挙げられている*1。英語民間試験の導入も見送られ、結果的に共通テストとセンター試験の目に見える変更点は「数学Ⅰ」「数学ⅠA」の時間が70分になったこと、英語の得点配分が記述200点リスニング50点からリーディング100点リスニング100点になったこと、大学の成績提供が9段階式+国語の大門別点数になったことぐらいで、問題の具体的内容がどれほど変わるかは出たとこ勝負なのが実態だ。

 人員的技術的な側面による共通テストの意欲的な試みの挫折は、傍観者からすると単なる「骨折り損」の感を抱かせるが、この意味についてすこし考えてみたい。すなわち、導入されようとしていた記述式には、知識を問うという点においてどのような新規性があると考えられていたのか。また、ここでいう「知識」は共通テストという制度においていかなる意図を持たされていたのか。

*1:日本経済新聞,2019,「共通テストの記述式問題、なぜ見送り 3つのポイント」,日本経済新聞ホームページ(=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53440380X11C19A2000000/,2020年5月24日参照) 

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ヌける/ヌけないエロマンガへの接近①

 こんにちは、ぽわとりぃぬです。エロマンガを研究するうえでつぎの2冊は必読です。永山薫の『エロマンガスタディーズ』と稀見理都の『エロマンガ表現史』。前者をエロマンガの歴史と社会的意義を考えた本と位置付けるなら、後者はエロマンガの技術的価値を考えた本と位置付けられるでしょう。

 そんな両巨頭の肩に乗っかれば楽なのにもかかわらず、本稿でエロマンガのヌける/ヌけないを分析しようと試みるのは、私が常々、エロマンガに限らず作品を考察するときに鑑賞体験が扱われないなと思っていたからです。

 ある作品を論じるといったとき、おおよそがその作品の社会背景や意味を探ったり、その作品の技術の高さを分析したりで、肝心の感情の動きが考慮されていない。『JOKER』でいうなら、弱者男性を描いたという社会的意義やホアキン・フェニックスの卓越した演技という技術的達成ばかりが盛んに語られ、その手前にあるはずの「おもしろかった」という感情は軽んじられている。ジョーカーをあのように描いたのもホアキンが役作りに励んだのもそれは面白い映画を作るためであって、社会的映画史的に意義ある映画となったのは結果論です。

 私がそんなことをもそもそ考えている19年前にすでに、映画を題材に議論を展開していたのが社会学者の長谷正人(2001)です。彼によると、現代の映画をめぐる言説は、その作品の技術的達成や監督の才能といった「美学的読解」、もしくは内容やテーマを社会的文脈において分析する「政治的読解」という2つで構成されているというのです。長谷は、これら2つの言説は映画というフィクションへの没入を前提としているのであり、そのために多くの観客が娯楽として気軽に楽しんだという当たり前の事実を見損なっていると指摘します。そしてそういう気軽な楽しみ方とは、フィクションをフィクションと知りながらもあえてその嘘に乗っかって楽しむという「遊戯的コミュニケーション」なのであり、それは翻って我々の生きる現実もまたフィクションに満ちている(「黒人とはこういうものだ」というような)と気付かせてくれるというのです。

 まずなによりその作品が娯楽としておもしろかったからこそみんなが考察を始める。ならばその源泉となる感情を見過ごしていいのでしょうか。

 というわけで本稿では、エロマンガの「エロかった」を分析する、というか分析するためにはどうしたらいいのかを考えていこうと思います。

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アンチ就活アンチ

 こんにちは、ぽわとりぃぬです。あなたは就活嫌いですか、好きですか。やりたくないけどやんなきゃいけないからリクスー買ったりインターンシップ行ったりしてますっていう人多いですよね。

 何であれ物事にはアンチが存在します。そろそろ就活アンチが元気になる季節です。本稿は彼らの批判を批判してみようと思います。果たしてアンチのいう通り、周りと同じ格好に身を包んだ就活生はヒツジでしかないのか(逆に、アンチはオオカミなのか)。なお、本稿で扱う就活とは(文系)大学生が参加する新卒一括採用のことです。概要とか専門用語の解説は紙幅の都合で割愛しちゃいました。ごめんね。

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今年はこういうの読みました2019

 ここ最近活動していないので、小文化学会は冬枯れた野原のように息の根が止まってしまったと思ったそこのアナタ! ぶっちゃけ否めません。とはいえ〆るところはきちんと〆ます。来年がんばるために、せめて今年の足跡を留めておきたい。毎年恒例の「今年はこういうの読みました」を書いて、本年の活動はおしまいです。来年は読んでくださった方にとっても、我々小文化学会にとっても実りある1年にできるよう努力していきましょう。

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コミュ障はハゲか妖術か

 こんにちは、ぽわとりぃぬです。このインパクト重視なタイトルを言い換えるとこうなります。コミュ障は社会的に構築された病(ハゲ)か、それとも集団幻想(妖術)か。コミュ障という得体の知れないレッテルについて、ハゲと妖術に関する人類学的知識を参考に考えていこうと思います。

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カルチャーと社会のスムーズな接続 ―AVにおける「文系女子ブーム」から「草食系男子」へ―

 こんにちは、ぽわとりぃぬです。みなさんAVは好きですか。私は好きです。おおっぴらに言うのは憚られるものの、男子はみんな(最近では女子も少なからず)好きだと思います。今回はそんなAVのブームを題材に、カルチャーと社会の関係について考察していきます。夜中こっそり見るのが当たり前のAV。だからこそ、私たちの姿をグロテスクなまでに反映するのです。

 テーマは「文系女子ブーム」です。2019年9月号のソフト・オン・デマンドDVDに「このところ、にわかにリリースが増えている『文系女子』作品(p51)」とあるように、現在日本のAV界においては、文系女子がブームなのです。この「文系女子ブーム」の背景にいかなる要因があるのかについて考えていきます。

 こういう類の考察は巷にあふれています。個人的には、多くがカルチャーと(その要因とされる)社会背景とをあまりに直接つなげていると考えます。そこで今回私は、これらの考察が抱える問題点を乗り越えるべく、ブームと社会との間に「業界」という中間項を置いて考えていこうと思います。

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路上でクルージング@中村遊郭跡

 先日の「路上でクルージング@中村遊郭跡」はお天気にも恵まれ、無事に開催できました。来てくださったみなさん、ありがとうございました。今回はその報告をしたいと思います。

 集合した中村日赤駅から、最初に向かったのは素戔嗚神社。駅にいちばん近い遊郭の角になります。この神社、昭和8(1933)年に当地へ移されたのですが、境内でみられる灯篭や鳥居には遊郭とその経営者と思わしき人々の名前が刻まれています。年月日は大正12(1923)年が多く、遊郭大須から移転される際に関係者各位が商売の成功を祈願したことが窺えます。なかでも遊郭ならではのユニークな字面が、石灯籠で見受けられました。

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家内安全ではなく廊内安全

 さて、ここで今回のフィールドワークの無事を願い、境内を出るとさっそく旅路となる「水路」がみえます。

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活動報告 エロマンガ読書会

 皆さん、春ですね。ぽわとりぃぬです。新入生、新学年、新入社員といった新たな環境をよろめきながらも歩き始めた頃かと思います。あらゆる繋がりがリセット/更新されるこの時期、何か新しい楽しさはないかとネットをポチポチしてみたりもするでしょう。

 そうしてうっかり当学会に辿り着いてしまったあなたに、本稿では、小学が開催したエロマンガ読書会の活動報告をしたいと思います。我々は去年の夏から秋にかけて、勇敢にも旧帝大エロマンガを持ち込み、計3回読書会を行いました。結果的には女性も参加してくれ、また新たに会員となってくれた方もいました。

 小文化学会はこのようにメンバーの探求心に寛容です。というより、あなたの自由な探求が小文化学会を作るといえます。本稿をとおして小文化学会の雰囲気を感じていただければと思います。

 

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