小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

としまえんの定点観測

 こんにちは。ヱチゴニアです。

 押し寄せては引いていく感染の流行も第8波に突入している今日この頃。皆さんはもうwithコロナの世界に馴染めていますか。2年前の8月31日に、近所の『としまえん』という遊園地が閉園したのですが、私は時々それを思い出して感傷的な気持ちになります。今回の記事では、閉園から2年と少しが経過した今のとしまえんの姿と、その姿の以前との変化をお伝えしたいと思います。

 

 

 としまえん閉園前に書いた記事がこちら。

sho-gaku.hatenablog.jp

 

 としまえん閉園から1年後に書いた記事がこちらになります。

sho-gaku.hatenablog.jp

 

 としまえんの閉園後、その跡地はワーナーブラザーズや西武鉄道伊藤忠などの手によって『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター』というハリーポッターシリーズの世界観を楽しむことができる施設(以下、本記事ではこの施設のことをスタジオツアーと表記します)へと生まれ変わる予定です。*1そのための工事が着実に進められ、1年前からも姿を変えています。

 としまえんの敷地の周囲を一周し、閉園前や1年前からの変化について見ていこうと思います。

 

 西武線豊島園駅を降りてとしまえんの旧正門の方を見ると、現在は白い囲いに覆われ工事が行われていることが分かりました。囲いの隙間から見える中の様子を写真に載せます。

現在の正門

 建物の解体が行われているのに看板が未だに放置されており哀愁を漂わせています。平日が超安いそうです。奥に見えるいくつかの建物はチケット売り場です。そのさらに奥には入場ゲートが存在したのですが、解体されてしまったようです。

 下の写真は1年前の記事のものですが、1年前の時点ではまだ入場ゲートは存在し、正門の辺りは工事されていませんでした。

1年前の正門

 1年前と比べた細かい違いとしては、チケット売り場の手前の柵も撤去されています。その周囲にあった雑草もなくなっていますね。

 

 前回や前々回の記事では豊島園駅については触れませんでしたが、少し意識を戻して豊島園駅についても注目しておきます。22年の3月に西武鉄道から豊島園駅のリニューアルが発表されました。*2リリースによると23年の春に向けて、「イマジネーションが日常に溶け込む駅」というコンセプトのもと、ホグズミード駅に似せた赤を基調としたデザインのホームに改装されるようです。駅の工事現場に貼ってあったイメージ写真も載せておきます。近隣住民としては駅が綺麗になるのは喜ばしい限りです。

改装後の駅のイメージ

 同時に池袋駅の一部もハリーポッター仕様に改装する予定のようで、スタジオツアーの開設に西武鉄道が絡んでいるからこそできる連携を感じますね。

 

 正門の方について話を戻すと、工事の囲いに工事計画が貼ったありました。

工事計画について

 この写真では練馬城址公園のスタジオツアー以外の部分について触れています。ややこしいのでここで改めて整理しておくと、としまえんの跡地は練馬城址公園という名前の公園になります。そしてこの公園は主に5つのゾーンからなり、そのうちの1つである「にぎわいアクティビティゾーン」においてスタジオツアー施設が運営される予定なのです。*3

 写真中の地図の真ん中に蛇行しながら横断している線は石神井川で、石神井川より上の右側の空白部分が「にぎわいアクティビティゾーン」に当たります。逆に言えば、それ以外の川より上の左側(「花のふれあいゾーン」)や川よりも下側はスタジオツアーとは無関係の公園となる計画です。

 川より下の左側(写真中のピンク色や緑色のドットがある当たり)は「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン」となる予定ですが、このエリアは元々としまえんのプールがあったエリアであり、その解体は手間がかかるため分割して行っていくようです。個人的にはプールが無くなったのが一番残念です。川より下の右側は「エントランス交流ゾーン」で、豊島園駅から公園への入口となります。最後の1ゾーンは、石神井川の周囲が「川辺の散策ゾーン」となる予定で、どのような景観になるのか期待が高まります。

 

 前回や前々回の記事と同様に、正門から左手に一周していきます。閑静な住宅街ととしまえんの敷地が隣接しますが、1年前の時点では閉園前後での変化はほとんど見られませんでした。しかし今回は、

工事用の幕が張られた現在の姿

写真のように工事用の幕が張られていました。閉園前の似たアングルの写真も載せておきます。

閉園前(約2年前)の姿

 一番外側の囲いはそのままですが、その内側に工事用の囲いと幕が張られたのが分かります。この辺りの内側はプールがあったエリアなので、この囲いは遂に工事の手がプールに及んだことを示しています。

 上の写真の道奥の下り坂は練馬城の堀の跡と言われているくぼみなのですが、その下部では以前は壁の上から雑草が伸びっぱなしになっていました。しかし、工事の囲いを作るに当たってそれらの雑草も大分綺麗にされています。

雑草が処理された現在の姿

雑草の繁茂する2年前の姿

 上載の2枚はアングルが違いますが、壁の種類が変わっている部分を見ていただけると同じ場所なのが分かりやすいと思います。閉園後に綺麗にされている様子を見ると、少し皮肉を感じます。

 さらに歩みを進める中で、また大きな変化を発見しました。1年前の記事で私は扉の落書きについてまとめました。しかし今回、それらの落書きが一掃されていたのです。

落書きの消された現在の扉

1年前(閉園後)の扉の落書き1

1年前(閉園後)の扉の落書き2

 誰が消したのかは分かりませんが(恐らく管理会社の采配だとは思いますが。)、としまえんへの追悼文の場となっていただけに寂しさを覚えました。まぁ、治安的には残当なので仕方がありません。

 

 しかし、さらに奥地に進んでいくと、2年前と同じ落書きを発見しました。相変わらず読めませんが。

2年前から変わっていない落書き

 この辺りは川より下の一番左側の辺りで、「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン」の最奥に相当します。閉園前の記事でこの辺りが一番ボロボロな状態だったことを伝えましたが、その様子は閉園から2年が経過した現時点でも変化ありませんでした。謎の安堵を覚えましたが、ここもじきに工事されて小奇麗にされるのでしょう。無常です。

 

 だいたい半周し石神井川に差し掛かったあたりで、2年前と似たアングルで写真を撮りました。

石神井川の橋から撮った現在の姿

石神井川の橋から撮った2年前(閉園前)の姿

 川の右手の様子はあまり変わっていませんが、左手は木々がさっぱりと除去され、全体的に更地になっています。シンボルだったフライングパイレーツは当然もはや存在しませんが、代わりに現在はスタジオツアーのものと思われる黄色の建物が建っているのが確認できました。

 更地になっている川の左手側は「花のふれあいゾーン」ですが、外側の印象としてはこのゾーンがスタジオツアー以外のエリアで最も工事が進んでいました。というのも、橋を渡った先の塀が全て無くなっていたからです。

橋を渡った先の現在の姿

橋を渡った先の2年前の姿

 2年前は割としっかりとしたコンクリや塀が並んでいましたが、その奥の木々も含めもはや存在しません。よく見ると電柱なども新しくなっています。

 以下の写真も同じ「花のふれあいゾーン」の周囲の写真です。元は駐輪場として使われていた場所でした。

駐輪場の現在の姿

駐輪場の2年前の姿

 2年前の写真を見返してみると汚さに辟易としてしまいそうですが、現在の何もない姿と比較すると、どこかもの悲しく感じます。

 この「花のふれあいゾーン」はもともと駐車場があったエリアなので、おそらく最も工事がしやすいはずです。そのため現時点ではスタジオツアー以外で最も工事が進んでいるのではないでしょうか。

 

 これより先のゾーンはスタジオツアーの領域で、着々と建物が建っていっています。現段階ではどの建物が何の用途なのかといったことはぱっと見には伺い知れません。

 今回は以上で記事を終わろうと思います。今後も、施設の開園前にもう一度くらいは記事を書こうと思います。その時にはスタジオツアーの詳細な続報などもあると思うので、楽しみです。