小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

札幌スタートアップ雑感(2021.11-2022.01)

どうも、つおおつです。

 『小文化』2巻にも書いた通りですが、私がやっている会社である株式会社あるやうむが資金調達をし、自分のペースでのんびりやれるスモールビジネスから色んなステークホルダーを巻き込みつつ急成長を目指すスタートアップへと変化*1しました。

prtimes.jp

 一般的にスタートアップ企業が立地するのはほとんど東京であり、東京でなくても三大都市圏+福岡が殆どだと認識しております。わざわざ札幌に移住しスタートアップをやるというのはまあ狂気に近く、間違いなく小文化に該当するので今回はその雑感を、トピックベースでしたためられたらと思います。

 

札幌スタートアップ雑感(2021.11-2022.01)

1.Web3事業者への投資熱がすごい

 一番思ったのは、Web3事業者への投資熱がすごいということです。Web3を簡単に説明すると、webアプリ(Youtube,Facebook,Twitter)などにブロックチェーン技術(仮想通貨、NFT)を応用したコンテンツのことです。現状それがどんな形になるかははっきりいって謎で、世界中の事業者がwebアプリとブロックチェーンの組み合わせを日々考え実行しているわけですが、正しい解が誰も分からないので、ホームラン(投資した会社がバカデカくなること)を狙って投資マネーがぐねんぐねんと動いているのを、札幌という場末の1事業者としても感じます。

 

 というのも、本来こちらからお伺いを立てるレベルの投資家がわざわざ弊社の簡素(婉曲表現)なコーポレートサイトのお問い合わせフォームから投資についてお話がしたいとお問い合わせをいただくことが複数件あり、実際それを受けwebミーティングを行うと、先方の明らかに投資先探しに困っている/web3事業者に投資したいという感じをひしひしと感じました。

 

2.札幌(および道内)の人たちが声をかけてくれるようになった

 今回の資金調達をきっかけに、色んな事業者だったりNFT/クリプト愛好家の方がTwitterのDMやお問い合わせフォーム経由でお声をかけて下さるようになりました。やはり札幌でスタートアップ(特にWeb3)をやるのはもの珍しく、おもしろがってくれます。またそういった声かけをきっかけに事業が進むこともあり、技術協力をして北海道新聞に載ることもできました。

 

www.hokkaido-np.co.jp

 

 資金調達のリリースを出してたった40日そこらでここまで来れるのは異様なスピードだと思います、地域ナショナリズム万歳!

3.東京は金持ち

 今回の資金調達の主な投資家はSkyland Venturesという東京のベンチャーキャピタル(通称VC、初期のスタートアップに資金援助をし株式を取得することにより、大化けした時に売却益を得ることを目的とした会社)だったのですが、株式会社あるやうむに投資するかどうかはTwitterのスペースでたまたまそのVCの代表と遭遇したのでアイデアを30分話して、その後1回面談することになり面談開始20~30分で1500万円の出資が決まりました。

 

 その後札幌にもVCが存在しているのを知っていたので私はどうせなら札幌のVCに出資して欲しかったのでそっちにも話を持っていったのですが、なしのつぶてでした。(札幌のVCの名誉のために補足しておきますが、投資は頂けなかったもののどのように起業家がVCと対峙していけばいいか有益なアドバイスを頂け、それは今でも役にたっています。)

 

 私は札幌が発展してほしいので他の在札の起業家も出資が受けられるように内部工作をしているのですが、私の一番お世話になっている起業家仲間があるVCと面談した時はそのVCに私が吹き込みすぎて面談開始と共に出資が決まったそうです。

 

 で、上述した札幌のVCはその起業家仲間のこともよく知っており、私が仲間に秒速で出資が決まったことを在札VCに話した所その出資の有効性を怪しんでいて、札幌と東京のスピード感の違いを感じました。

 

 スピード感の違いは言い換えれば許容できるリスクの違いであります。リスクが許容できるということはすなわち失敗する投資案件をいくつも抱えてもなお資金的に余裕があるということで、東京のVCは圧倒的に資金面で優位に立っていると感じました*2

 

4.投資家のほうが真面目

 これはシード期(事業始めたてという意味)のスタートアップにありがちなことかもしれませんが、私より出資者の方が真面目だなと感じます。私が特に要望を出さずとも*3要人とのミーティングを出資者がお膳立てしてくれて、それをきっかけに事業が加速することが多々あり、本来私がすべき仕事をやってもらっていると感じます。

 

5.明らかに出資前出資後の区別がされるように

 出資をされた後から、急激に私とお話をしたいという人が増えました。とはいえ私自身は出資前と出資後で何か変わったわけではないので、出資前からの繋がり(もちろん、小文化学会はそこに含まれる)はとても大切に思っています。とはいうものの、事業を加速させる都合上出資された後に繋がった人に時間を割かなくてはいけないのが辛い所なんですけどね……。

 今書いているこの記事も、あえて拡散するつもりはなく、web3がチャンスであったりという話は出資される前から入っている小文化学会のファンの皆様だけの情報に出来たらと思っています。

 

 以上、取り留めのない記事でしたが札幌でweb3スタートアップをやるとこんな感じなんだよ~とゆるく把握して下されば幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。つおおつでした。

 

f:id:Sho-Gaku:20220130121102p:plain

 

 

*1:あえて変化という表現を使っているのは、スモールビジネスとスタートアップに優劣をつけたくないからです。

*2:今回弊社に出資を行ったVCであるSkyland Venturesは「フライングで投資する」をスローガンに掲げており、東京/札幌の違いではなくVCの性格による違いの方が大きい可能性もあります。

*3:ここだけの話、○○さんに会いたいので繋いで下さいということすら億劫な元クリプトニートがいます