小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

札幌移住と起業(スモールビジネス)をして三年たって得た知見

 どうも、つおおつです。

 最近はVivyというアニメにハマっています。

vivy-portal.com

 最古の自律型AIが百年後に起こる人間とAIの戦争を防ぐために、百年後から来たAIと一緒にAIを滅ぼすお話です。

 Vivyがウケているのは、私たちが潜在的にAIの発展に危機感を感じているも、私たちは人間社会ではAIを行使している人間*1よりも社会的に低位に置かれているため、AIの発展を止めることができず、AIの自滅によってでしかAIが私たちにもたらす危機を止めることができないからな気がします。

 

 閑話休題

 早いもので、2020年3月に札幌に移住してから1年と2ヶ月が経ちました。2018年2月、大津に住んでた頃に古物商許可を取得してからはもう3年です。仮想通貨トレードをしながらの片手間であるため、実働時間で考えれば普通の起業の半年分もあるかないかという感じですが、簡単にやっていたことを振り返った後に、得られた知見を振り返ればと思います。

 

 ①2018年2月 古物商取得 青春18きっぷレンタルサイト「アオ旅」運営開始(現在は閉鎖)

 自分が青春18きっぷのレンタルがあったら便利だなと思って始めたサイト。値段をヤフオク18きっぷレンタルの相場より少し安くしたため掘っ立て小屋のようなUIに関わらず注文が安定的に来ました。しかし、低単価な18きっぷを扱うのが面倒なこと、この時点で札幌に移住予定であり、札幌からきっぷを送るのは日数がかかりすぎて効率が悪いため1シーズンで終了、②の開始まで古物や転売の試行錯誤・情報収集をして過ごす。

 

 ②2020年4月 同年3月に札幌に移住したので、地域の節約情報及び、弁当・惣菜に半額シールがいつ貼られるかをまとめたサイト「半額ドットコム」運営開始(現在は閉鎖)

 自分があったら便利だなと思って始めたサイト。札幌のお得情報に絞って発信したため、facebooktwitterなどの流入があり*2、やめるタイミングではSEOもそこそこあった。しかし、いかんせんマネタイズが難しすぎ、仮想通貨トレードに比べて割りに合わなさすぎるため終了。

 

 ③2020年6月 中国で製造された鉄道模型ストラクチャーの輸入販売「毎日堂」運営開始(継続中)

 これは鉄道模型にかなり詳しい友人に誘われて始めた事業。友人の選球眼がかなり良く、またジオラマ写真が綺麗なため軌道に乗った。鉄道模型ストラクチャーは組み立て済みで大型のものは高単価で、労力が低い所が継続できている要因だろう(詳細後述

 

 ④2020年7月 人気イラストレーターのグッズ製作販売「あるやうむ」運営開始(開店休業状態)

 twitter上にいい絵は大量に流れてくるのに電子の海に消えていくだけ。グッズになったら面白いなと思って始めた事業。絵師さんによっては黒字になるため、続けてもよかったが仮想通貨バブルが来てしまったためそちらにかまけてる間に開店休業状態に。

 

 ⑤2020年11月 「株式会社あるやうむ」設立 ③の事業と④の事業をメインに設立。かろうじて黒字の状態*3だったが、ノリで法人化

 

 ⑥2021年某月 詳細はかけないが、トレードとは別に仮想通貨・VR関連で仕事をいくつか貰った。

 

 以上がつおおつの起業体験記(?)となります。いや~一般的に想起される起業家とはまったくかけ離れたスモールっぷり。笑えますね。とはいっても、色々学びがあったので以下に並べていきたいと思います。

 

注意:以下の学びはいわゆるスモールビジネス型の起業に役立つ学びです。投資家から出資を受けるいわゆるスタートアップ型の起業とは全く方向性が違うのでご留意下さい。

 

 

 

・自分が必要なら多少は需要がある

 自分と同じことを考えている人は、意外と居ます。自分なら欲しい!と思える商品・値段で売ると、0.1%くらい自分と同類の人がいるので1000人に見せれば1個は売れます。

 

・技術がないなら物を売ろう

 プログラミングなどの技術があって、それを使ってtoBtoCの商売をするのが起業の王道だと思います。一方で技術もないしお金もないし……という人が起業に走ろうとすると大体アフェリエイトブログに行き着きます。私も『半額ドットコム』をやったので分かりますが、無形物はマネタイズが本当に難しいし、技術もお金もないのに稼ぎたいという人は沢山いるので競争が激しい。他に収入源がないと、マネタイズができない→貯金が減る→焦る→やる気なくなって何もできなくなるの負のスパイラルに簡単に陥ります。

 

 これを打破するために、物作って売りましょう*4。物は無形物に比べて圧倒的に即金性があります。うまくいけばすぐお金になり、変な焦りはでないと思います。物作るノウハウないならどっかから仕入れましょう*5。転売(せどり)は嫌われがち。ですが情弱向けにオススメされがちな商売の中では一番手堅くできると思います。月収20万サラリーマンで転売ヤーと罵られない代わりに上司にせっつかれるか、月収30万転売ヤーになって世間から叩かれながら自由に生きるか。究極の二択ですね。


・趣味のものor高単価のものor軽くて小さいものを売ろう

 物を売るとして、個人的にオススメなのが上の3つ。個人で小規模になにかを売る時、価格競争をしたら自分の首を締めます。牛丼は300円~400円前後で食べれるものと人々の脳髄レベルまで刻まれてますが、そうではない「まあちょっと高いけどいっか」となれるものを売りましょう。それは趣味のものです。

 高単価のものがおすすめな理由は、5万円の品物が売れるために要する労力や費用は500円の物の100倍にはならないので、同じ利益を得るために必要な労力が少なくなりやすいからです*6

 軽くて小さいものがおすすめな理由は、車や荷台、ラック等がなくても扱えるからです。

 

・東京(というよりは首都圏)で起業したほうが良い

 私は札幌の街が好きなのでわざわざ移住して起業しましたが、首都圏で起業するのをオススメします。これは東京都心で起業しろ!ということが言いたいわけではありません。何かあったら東京の金持ちとすぐ交渉ができる場所にいることが大切であると思います。東京のあほほど金持ってる人に1000万で壺買わせたらスモールビジネスとして成立します。

 今のは冗談ですが、東京はお金持ちが多いので世田谷や港の高級住宅街に住んでる人がジモティーでただで譲ってくれる高めの家電を転売するだけで生きていけます*7。都心はお金かかりますが、橋本や高尾のような安く都心まで出てこれて、生活費もそんなかからない場所に住んでお金持ちのおこぼれにあずかるビジネスをするのはかなり生き残りやすいと言えるでしょう。

 じゃあ札幌で起業する意味ってなんだ?って言われると返す言葉に詰まります。強いていえば、人件費が安いこと、人を雇いやすいこと、縛りプレイみたいなものなので逆に何をすればいいか思いつきやすい(ある種の不便益)くらいのものでしょうか*8。 

 

・本当に好きじゃないと続かない

  そこそこ上手く行っていたオタクグッズ事業ですが、仮想通貨トレードやそれに関わる仕事をもらって忙しくなってしまったため開店休業状態です。継続するとビジネスとしてもっと伸び代があると分かっていても、目先の手堅くもっとお金になる事業に浮気してしまっている状態です。一定量の努力を継続させないと事業として大成しないので、目の前の誘惑に負けないくらいその事業を愛せるかも大切なポイントかと思います。

 

・結局どういう人が物を売るタイプのスモールビジネスの起業をすべきなの?

  1. 普通に働くことを心から憎んでいる(あるいは雇って貰えない)
  2. お金のかかる趣味が大好き
  3. 物を作るor仕入れるのに必要な最低限の資金を持っている(最低100万、あればあるだけいい)

 1、2、3全部あるといいですね。どれか1つが欠けている方は補ってくれる方と組みましょう。鉄道模型事業は1、3に当てはまる私が2に当てはまる人を見つけて始めたものです。1つしか、あるいはどれも当てはまらない方は大人しく働きましょう。

 

如何だったでしょうか。最後にお役立ちの本を3冊紹介しておきます。

 1.100円のコーラを1000円で売る方法

100円のコーラを1000円で売る方法

100円のコーラを1000円で売る方法

 

 どうすれば安売りしなくて済むかのヒントが書いてあります。あと、バリキャリ好きのつおおつとしては出てくるバリキャリ主人公がたまらんです。

 

 2.神速スモール起業

神速スモール起業

神速スモール起業

  • 作者:小山 竜央
  • 発売日: 2017/08/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  如何にすれば早く結果の分かってコケても損失の少ない起業が出来るかについて書いてある本です。こちらは物よりはスキルを売るタイプの起業になりますが、考え方は近いと思います。

 3.売れるネットショップ開業・運営-eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則

  具体的ではない考え方を吸収してワクワクするのは上の2冊で十分で、私たちはさっさとスモールビジネスを始めなければいけません。ものを作れ!と書きましたが、大抵の人はネットショップで物を売ることになると思います。2010年出版と結構古い本ですが、評価が高いだけあってめちゃくちゃ役に立ちます。

 

 情報をインプットしてもワクワクするだけで何もできません。インプットは3冊くらいにして*9、とっとと始めるのがスモールビジネス的に大切なのかな、というのもこの3年で起業したい!といいながら動かない人達*10を見て思った感想でした。

 

 

 

 

*1:googleの超絶エリートを想像して下さい

*2:月2万PVは難なく達成できた

*3:サービスでとりあえず飯を食える状態になったことをramen profitableと言うらしい。Ramen Profitable. ラーメン代稼ぎとは | by 海外VCリサーチ | Medium

*4:④のオタクグッズ事業が該当

*5:③の鉄道模型事業が該当

*6:逆に言えば、①のような低単価の金券業はめんどくさすぎます

*7:このビジネスモデルは札幌では成立しない。嗚呼……

*8:仮想通貨トレードの運用益で余裕ぶっこけるわけじゃなかったら不本意ながらも首都圏に帰っていた可能性は高い。

*9:もしもっと勉強するのだとしたら、webマーケティングになると思います。人の目につかないと物は売れないので。

*10:こんなことできたら面白いですよね~って話はもういいんすよ、始めようよ、その面白いの。