小文化学会の生活

Soliloquies of Associate Association for Subculture

東大入試英語の4,5をフランス語に差し替える

 2018年。私は東大二次試験の英語の大問4と大問5をフランス語に差し替えて受験した。ちなみに合格した。


 この結果に至るまでには、当然

①フランス語差替を決心し

②フランス語の試験対策をする

という二段階のプロセスを経たわけだが、その中で色々なことが未整備の状態にあり、それが①のハードルを無闇に高くしていると感じた。


 この記事の目的は、東大フランス語差替受験のハードルを下げることであり、そのための道しるべとなる情報の提供である。

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『放浪記』は古くて新しい

 どうも、つおおつです。あれ?次の記事はカカフカカについてのことじゃないって?HAHAHA!君はなんて物覚えがいいんだ!HAHAHA!

甦れ私の意欲甦れ私の意欲甦れ私の意欲甦れ私の意欲…

 閑話休題。今回は、林芙美子の『放浪記』の作中の詩をとりあげ、それとつおおつの思い出を交えながら、『放浪記』の魅力を伝えられればなと思います。

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恋愛しない若者たち ~カカフカカでわかる連帯結婚~

どうも。つおおつです。

 

 ついにアニメを定期的に見るという習慣がなくなってしまい、(一気見が主に)その代わりに『プリンセスメゾン』、『東京タラレバ娘』、『午前3時の無法地帯』などで女性向け漫画の面白さに気付き始め、ジャンカラで「Q&Aリサイタル」を歌い、快活clubでにやにやしながら講談社の『Kiss』を読むのが趣味となりつつある大学生活折り返し地点です。

 

 閑話休題。今回は、その講談社の月刊雑誌『Kiss』に連載中の漫画『カカフカカ』の感想と考察を述べていきたいと思います。(以下、ネタバレを含みます。)

 

カカフカカ(1) (Kissコミックス)
 
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他者依存による自己の存在承認とその戦略《童貞という立場から》

 6年間の男子校生活を終え、大学に進学してしばらく経ったころ。

 人は環境の変化による価値の再構成時に自己の同一性が保てなくなるらしく、その煽りを受けたのか、あるいは頭が混乱状態にあったのか、真相は不明だがあろうことか僕は生まれてはじめて恋をした。

 結果はわかっていた。だが、自分の気持ちを素直に言葉として表現できたうえに相手へと伝わり、さらに相手がわざわざ僕に面と向かっての意思表明をしてくれたため、僕はきちんと満足できている(ただし直後にしばらく泣きつづけたが……)。

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今年はこういうのを読みました2017

 2017年も終わりですね。何かを達成したような、達成できなかったような1年でした。ただ、読んだ本は確実に糧になったといえるはずです。そんなわけで(?)会員が読んだ本をおのおの紹介して、今年の小学の活動を締めくくりたいと思います。

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趣味は”アナログゲーム”

 こんにちは。お久しぶりです。エチゴニアです。最近はめっきりと寒くなってきましたね。体調管理には気を付けたいところです。前回の投稿からだいぶ時間があいてしまいましたが、これからも少しずつ投稿していきます。

 

 さて、今回は私の趣味である"アナログゲーム"について書きます。アナログゲームとは、電子機器を使用しない非電源系ゲームのことです。有名な例を挙げると、将棋囲碁双六などのボードゲームや、トランプ麻雀ちんちろりんなどのテーブルゲームがあります。
 しかしこの説明では”アナログゲーム”界隈の実情と大きく食い違ってしまうのです。その認識の差を記述することがこの記事の主題となります。この記事では”アナログゲーム”の認識を3つの視点をからめて説明しようと思います。

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電子感想戦 第1回 田山花袋『少女病』(2)

 前回に引きつづき、電子感想戦の議事録を掲載したいと思います。人数も増えて感想戦はさらに盛りあがりを見せました。具体的なテクストの読みこみは複数人ですると1人でするのとはまた違った楽しさがありますね。

 参加者:10nies(以下、10)

     エチゴ二ア(以下、ヱ)

     モロトフ・カクテル(以下、モロ)

     つおおつ(以下、鳥)

     てねてんね(以下、て)

     航空志望(以下、航空)

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電子感想戦 第1回 田山花袋『少女病』(1)

 秋本番となってきましたね。食欲もスポーツも魅力的だけど、小文化学会としてはやはり読書の秋です。そんなわけで、シャレというわけでもないですが文化の日に初の試み、電子感想戦を行いました。事前に課題作を読み、ネット上で意見を交わす挑戦にどうなるかと心配しましたが、結果的に予想以上の盛りあがりを見せ、話は2日間にわたりました。長くなってしまったので分割し、順次アップしていきたいと思います。記念すべき第1回は、1907年発表の田山花袋少女病』。100年以上前の作品ながら、いまでも新鮮な作品。読めば読むほど新しい発見がありました。

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『「地の塩」殺人事件』と湾岸戦争の関係

Ⅰ. 概要

 このレポートでは、イスラエル人作家シュラミット・ラピッドによる『「地の塩」殺人事件』(1992)という作品における推理小説という形式と湾岸戦争の描写の関係について考察する。

 まず、『「地の塩」殺人事件』の推理小説としてのプロットについてⅡで説明する。次に、『「地の塩」殺人事件』における湾岸戦争の描写についてⅢで説明する。更に、湾岸戦争そのものについてと、当時有名になったジャン・ボードリヤールによる『湾岸戦争は起こらなかった』(1991)という本についてⅣで確認する。最後に、推理小説という形式が湾岸戦争の真実を伝えるのに効果的に作用していることをⅤで説明する。

 このレポートは、2017年度に慶應義塾大学で開講された総合教育セミナーⅡを下敷きとして作成された。

 

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人工知能は世界の論理を解明出来るか

 医学系の大学に入学してはや二か月。毎日の学習や定期考査など、学問が軌道に乗ってきた頃である。文系脳の僕にも理解できるような、素晴らしい理系の授業をなさる先生方にはとても感謝している。同時に、人間関係も多様となった。良好な関係の者もいれば、未だによくわからない者もいる。自分がその人でない以上、完全にその人の気持ちを推し量ることは出来ない。

 ついでに六年間男子校出身の僕が女性の気持ちを推測するのは至難の業である。仲の良い友人と話すことのない同期との差は、経験論的な交流の頻度の差なのであって、大事なのは人間関係に完全がないということを踏まえたうえで不断の努力をすることなのだ。不完全でもその人を知れば新たな発見があるかもしれないし、役立つことだってあるかもしれない。そんなことを考えながら、今日も僕は近くの人とのコミュニケーションを図る。

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